うつ病は、もはや日本人の国民病ともいえる広がり方をしています。近年では非定型うつや新型うつなどの新しい形のうつ病も市民権を得ています。
介護業界でも、うつ病を理由に離職する人は少なくありません。
介護職にとって決して他人事ではないうつ病について、うつ病で一度は介護を離れた方が復帰する時のアドバイスを紹介します。
目次
うつ病になってしまう人の特徴
うつ病は、ストレスに対する心の防衛反応のようなものであると言えます。
テレビでも大脳の扁桃体が防衛本能を過剰に刺激することで発症する症状であると取り上げられ、話題になりました。
ストレスに対してうつ病が発症してしまう人には、共通した性格特徴があることが分かっています。
- 生真面目
- メランコリー親和型気質
- 自己責任感が強い
他にも、様々な性格特徴が指摘されています。メランコリー親和型気質とは、正義感や責任感が強く、人のせいにせず自己に責任を求めてしまう性格特徴の事です。
介護自体が高齢者の行動などに対して原因を見つけて改善手段を検討するという本質をもっており、自己の利益より公益性を求める仕事であると言えます。
拡大解釈ではありますが、介護職者を志して高い意識で介護業界へと飛び込んだ人には元々うつ病になりやすい特徴がある場合が多いと考えることもできるかも知れません。
介護職がうつ病になってしまう原因
みさきはどうすれば改善するのかを考えたことはあるかい?
介護職として働く人、よい介護を提供しようと正義感や責任感に燃えている人ほど、うつ病になりやすいと紹介しました。
その上、介護の仕事はうつ病を発症しやすい仕事であると言えます。
介護職がうつ病になりやすいと言える理由、介護職者がうつ病になってしまう原因について考えてみましょう。
職場の人間関係
円滑な人間関係は精神衛生に欠かせない要素です。職場は成人後の人生の大部分を過ごす空間であり、その場での人間関係が悪いことはストレスの原因となります。
特にうつ病になりやすい性格特徴を持つ人は職場の人間関係の悪さ、険悪な人間関係から発生する陰口などを自己の責任であると捉えてしまいがちです。
正義感が高く、生真面目な人間であるほどに、成人した大人が職場というパブリックな空間に好き嫌いを持ち込むことに耐えられません。
その考え方が決して間違っていないことも、うつ病を加速する原因です。
誰かに愚痴を漏らして笑い話に出来る、仕事だからと割り切って考えることが出来るという柔軟さが必要かも知れません。
しかし、柔軟でないこと自体は甘えでもなければ弱さでもないのです。
不規則な生活リズム
人の身体は本来、ストレスに対する自己回復機能を持っています。
美味しい食事と十分な休息、程度な運動などで身体的に健康な状態で過ごすことが出来れば、それだけでストレスは改善すると言えます。
生活リズムの改善自体はストレッサーへの対応にはならないため本質的な改善にはならないものの、生活リズムが悪ければ本来耐えられるストレスでも過剰に反応してしまう原因となるでしょう。
夜勤や早出、遅出などで生活リズムが不規則になる介護の仕事は、ストレスを加速しやすい環境であると言えるでしょう。
ハードな職場環境
仕事の内容がハードであること自体が、すなわちうつ病になりやすいとは言い切れません。
しかし、介護の仕事では業務のすべてが介護です。
ハードな業務内容から発生した仕事の遅れやミスは、利用者の生活に直接影響します。
そしてうつ病になりやすい性格特性を持つ方は、利用者の生活に影響するミスが発生した時や、職場環境によって入居者に負担をかけている時に過度に責任を感じてしまうのです。
仕事のプレッシャー
介護の仕事は大きなプレッシャーと向き合わなければなりません。背負う大きな責任は入居者の生活の質、QOLです。
介護を提供することで、利用者の生活の質を向上するという責任を負っています。
逆に言えば、それ以上の責任を負うものではありません。病気を治す必要はありませんし、高齢者の疾病は万全の介護を提供していたとしても悪化していくでしょう。
利用者の安楽な死は介護者の責任ですが、死そのものは介護者の責任の範疇からは外れた所に存在する場合もあるのです。
しかしうつ病になりやすい性格特性を持つ方では、過度に責任を感じてしますことがあります。
そもそもの生活の質を向上するという責任自体が重大なものである以上、責任を感じること自体は素晴らしいことであり、優しさであるとも言えるため、逃れられない葛藤と戦う事になるのです。
でも誰よりも介護に向いた性格であるともいえる。職場選びに成功すれば、それだけで介護職者として大成功できるかもしれないよ。
うつ病から回復するために
それだけ再発しやすい疾病だ。完治までに時間がかかるし、容易に再発しやすい治療抵抗性うつ病というものもある。
まずは医師の診療と服薬治療が重要で、決して焦ってはいけないね
うつ病について、甘えである、気の持ちようであるという考え方はまだまだ改善されているとは言えません。
しかし反対に「治ります」「メンタルクリニックへ行きましょう」といったアナウンスばかりが先行して、「簡単に治るものである」と考えられている部分もあります。
実際には長期間の治療と再発防止が必要であり、性格を根本から変容させることなど出来ない以上、再発しやすいのが特徴です。
うつ病から回復するためには、その人に合った治療や経過観察が必要です。
非定型うつ、新型うつ、季節性うつ、双極性障害など、うつにも様々な種類があり、治療も異なります。
まずは自分の状態が疾病であると認識し、医師の指示にしたがって治療を行う事が大切です。
詳しくは治療やサポートになるけれど、時間をかけてじっくりと、焦って振り払うものではなくて付き合っていくものだという認識を持つようにしてほしいね。
うつ病から復帰する時に気をつけておきたいこと
そして職場でフォローを受けることが出来る環境になっている事に気をつけたいね。
うつ病を理由に休職し、治療を行っている場合、分かりやすい症状がなくなったことで安易に職場復帰をしてしまう事が少なくありません。
しかし、うつ病の治療には時に数年間という長い時間が必要です。
急性期の自殺願望や不眠などの過度な症状が治まったから職場復帰に問題がないわけではありません。
回復期、再発防止期と時間をかけて治療を行うのです。
まずは医師から職場復帰を許可され、頓服薬などの相談をする必要もあるでしょう。
さらに、職場でのフォローが必ず必要です。職場の何らかのストレスや精神的負担を理由にうつ病が発症している以上、全く同じ環境で働く事は再発しに行くようなものです。
気分が悪くなったら短時間でも休ませてもらえる環境を整えるなど、職場復帰には十分な準備と職場の理解が必要です。
うつ病の治療が完了し、服薬を終了した後でも、自分の特徴として上手く付き合っていく必要があるのかもしれません。
復帰する時には転職するという道もある
転職自体が精神的には負担が大きいし、新しい職場で理解とフォローを求めることも同様に難しいけれど、転職という手段も検討すべきだと思うよ。
うつ病は甘えではありません。同様にうつ病を理由に転職をすることも、決して甘えではありません。
介護を離れるという選択も、検討すべきでしょう。介護の仕事が精神的に苦痛であるならば、職場環境を変える良い選択です。
うつ病は完治した場合でも、性格的に発症しやすいというのが改善しているとは限りません。
中には考え方を上手く変えていくことで、うつ病が発症しやすいと言われる性格特徴と上手く付き合っている人もいます。
全ては自分次第であり、上手く付き合うことが大切です。それは自己責任とは全く異なります。職場に問題があるとすれば、転職して逃げるというのも大切であり、一つの正解です。
休職した職場に復帰するのか、部署移動などをするのか、転職するのか、介護業界を離れるのか。
仕事は人生を考える上でとても大切な要素です。しかし人生を歩むのは自分自身であるという事も忘れてはいけません。仕事と自分自身、両方としっかりと向き合い、職場復帰を考えましょう。
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