自分は全職員と良い関係が築けている場合でも、上司や同僚の間では亀裂が生じているという場合もあるだろうからね。
介護施設は、規模に対して介護職員が多く所属している場合が少なくありません。
夜勤や日勤も含めて、最低でも入居者の三分の一の人数が雇用されていますが、非常勤で常勤換算一人以下の勤務時間になるパートが多数雇用されている場合には、多くの職員が雇用されます。
50人が入居する施設では17人程度の職員が、介護職員と看護職員だけで雇用されます。非常勤職員が多くなる場合もあり、厨房担当者やケアマネなどの他職種も含んだ場合、非常に多くの職員が狭い施設の空間で働きます。
外部の人間が関わることも少ない環境であり、チームケアを実施するうえで情報共有やフォローの為に関わる機会も多くなります。
個人の成績などを競い合う場面も少なく、あらゆる意味で人間関係が密になる条件を満たした職場であると言えるかもしれません。
他人のような希薄な関係では、好みや考え方が関係性に影響する場合は少なくなりますが、介護施設ではそういう訳にはいきません。
人間関係が密であるからこそ深い信頼関係を築くことも可能になるとも言えますが、それだけに性格や人間性の違い、介護観の違いから険悪な人間関係になる場合も少なくないのが介護施設です。
人間関係が悪い施設の見極め方、人間関係の改善のための手段について紹介したいと思います。
目次
介護施設は人間関係が悪いケースが多い
介護という仕事は、介護観の違いが直接業務に関わります。食事介助の場面を例に考えてみましょう。
長時間の食事がもたらす体力的な負担と、食事に負担を感じることによる精神的な苦痛を取り除くために、積極的に食事介助を行うという考え方は正しいものです。
反対に残存機能を活用する為に食事シーンでの上腕を使用する動作を促し、自立性とメリハリある生活の為に時間がかかっても、自己摂取をしてもらうことにも介護としての正当性があり、正しい介護であると言えます。
このような介護観の違いは当然発生するものであり、本来は入居者の性格や生活歴、身体機能、認知機能などを評価して食事介助について施設全体での統一した介護法を決めるべきです。
しかし実際には上司の考えが押し付けられる、看護師の意見が優先される、業務時間の制限から食事介助をせざるを得ないといった施設が少なくありません。
介護者の技術、入居者との信頼関係によっても実施できる介護には、介護者による違いが発生することでしょう。
介護職者同士で意見が異なる場合に、介護観の違いが介護手法の違い、業務にかける時間の違いとして人間関係の溝を生むきっかけになる場面は少なくありません。
ある職員なら10分で終わり他の職員のフォローが出来る業務が、別の職員では30分かかって逆にフォローを必要とするような事もあります。
その上介護職同士は密に連携する必要があるから、人間関係が悪化しやすい仕事であると言えるね。
人間関係が悪い介護施設の特徴
二人の上司同士が険悪な施設なら、それだけで業務全体が息苦しくなることもあるのが介護施設だからね。
自分自身は職員全体と特に衝突もなく円滑に人間関係が築けている場合でも、特定の職員が険悪な関係であればそれだけで業務全体に影響することもあります。
複数人の上司がいる職場で上司の関係が険悪な場合、二人が違った考えで指示を行うことで業務に支障をきたすこともあります。
直接的な指示でなくとも、入居者の意見を最優先すべきであるという上司と業務全体の流れが優先されるという上司がいるだけで、矛盾した期待の中で働く事になるでしょう。
また、他にも人間関係が悪くなるきっかけについて紹介します。
職場環境がハード
ハードな仕事は、それだけで人間関係を悪化させる原因となります。
先ほど例に出した上司の考えについても、人員と時間が豊富で一つ一つの介護に最大限のリソースを割くことが出来るという前提であれば、過剰介護にさえ気を付ければ丁寧に時間をかけて介護を行う事が最適であることは容易に考えられます。
ハードな業務、環境であるからこそ、時間をかけた一件の丁寧な介護が業務全体を遅らせ、他の入居者の生活に問題を発生させる原因となってしまうのです。
介護観の違いで矛盾した困難が発生するケースを考える場合、かけられる人員や時間が原因となるケースは少なくありません。
様々な介護に関する意見を正しく評価し、検討する会議を行える精神的な余裕と時間の余裕さえあれば、意見の対立は介護の質を上げる貴重な機会です。
現実的には無限の人員と時間で介護を提供することは出来ませんが、職場環境や業務内容が人間関係に与える負担についても頭のすみにとどめておきましょう。
女性のスタッフが多い
他のテーマについて取り上げた際にも触れていますが、介護の職場は女性が多い職場です。
女性だから仲が悪く人間関係が悪いとは言えませんが、実績を大切にする男性に比べて女性の方が内面の評価を大切にする傾向が高いのも事実です。
上司が男性だからといって業務の実績に関して100%正当に評価されるとは言い切れないものの、女性の上司の方が個人的な好みで不当な評価をされることで、人間関係が悪化する危険性は高くなるでしょう。
上司や同僚、部下に女性が多いと、それだけで性格や個人的な感情が業務に影響する危険が高いと言えるかも知れません。
看護師と介護士の派閥がある
看護師と介護職だけではなく、介護職同士でも派閥があるような施設は少なくありません。
考えの違いや意見の違いは介護職同士や看護師と介護職の間で発生しやすく、これが職場全体での派閥という考え方に繋がってしまうのです。
医療と介護、一人の介護職の考えと他の介護職、これらの考え方の違いにはどちらが間違いという事がない分、派閥を形成するきっかけとなってしまうのでしょう。
人間関係を改善するためにできること
介護の職場で人間関係が悪くなる理由に、個人の考え方の違いが介護業務に大きな影響を与える点が挙げられる以上、自分の意見をある程度無視して業務にあたるのは有効な手段かも知れません。
介護の楽しさは半減するかもしれませんが、最終手段として検討しても良いでしょう。
しかし介護職者として経験を積み、技術を向上する為には自分で考えるというプロセスが大切であり、介護の楽しさは自分で考えた介護の提供にあるとも言えます。
まずはその他の手段について検討するようにしましょう。
愚痴や悪口に賛同しない
人間関係が悪い職場では、誰かの悪口や陰口が飛び交う職場で働く事になります。
自分が険悪な人間関係の只中にない場合でも、派閥がある施設や同僚と上司の仲が険悪な職場は少なくありません。
ある意味で、自分自身が嫌われている状態と同様に過ごし辛い環境であると言えます。
愚痴や悪口に対しては賛同も否定もしないという対応が重要で、対人援助技術である受容の姿勢が大切であると言えます。
許すわけでもなく、また対立する訳でもなく。そういった意見もあると認める立場から関わるようにしましょう。
職場の人間関係に対してまで対人援助としての関りを意識するのは難しく、利用者だけでなく同僚にまで気を遣う関係は辛いものですが、人間関係を改善する為に身に着けた能力を活用すると思えば良いかもしれません。
みんなに挨拶・コミュニケーションをとる
挨拶は大切なコミュニケーションです。ただ挨拶をする、笑顔で声をかけるだけの関係性でも、単純接触効果によって印象は改善していくと考えることも出来ます。
相手から嫌われている、職場の人間関係が悪い、そんな時こそ挨拶が大切です。
相手が自分を嫌っている様子であれば、笑顔で関ることで「自分は気にしていない」という態度を強く示すことは時に神経を逆なでする為注意しなければなりません。
しかし、どちらかが大人にならなければならないならば自分から挨拶をしてコミュニケーションを図ることも必要です。
難しいバランス感覚ですが、人と関わるうえで挨拶がもたらす高い効果を認め、まずは意識的に挨拶を行う、コミュニケーションをとるようにしてみましょう。
反対派閥の良い情報をこっそり伝える
職場全体の人間関係を考えて、人間関係の改善に取り組むこともあるかもしれません。
あまり露骨に働きかけるのは逆効果になることもありますが、職場全体の人間関係を考えてることも大切です。
派閥のような関係性にある場合、悪口や愚痴ではなく褒めるような意見、肯定的な意見をこっそり伝えるような関わり方になるでしょう。
感情や考え方、性格に関する意見ではなく、業務に関する客観的な評価を伝えることが重要です。客観性の高い評価を伝えることで安易に否定できない意見として受け止めてもらうことが出来ます。
難しい関りですが、職場全体の人間関係を意識して関わることも時には大切な事として意識しましょう。
仕事と割り切って付き合う
仕事として割り切った人間関係を構築することは、最初にお伝えした通り最終手段になります。
より良い介護を考える過程でこそ意見が対立するので、指示された内容を業務として遂行することに注力することで、人間関係が悪化することは防ぐことが出来ます。
自分の考えを否定する必要はありませんが相手の意見や考えも立場による内容として認め、仕事と割り切ることも時には必要です。
指示された内容を業務として遂行するというのも、プロとして必要な働き方です。指示された内容をひたむきに実施するという立場も、介護職者として間違ったものではありません。
人間関係が悪い職場は働き辛いですが、円滑なチームケアで質の高い介護を提供するという高い理想を追い求めなければ、大きな問題ではないと考えることも出来ます。
与えられた環境と人間関係の中で、自分に出来る限りのクオリティで介護を提供するために、仕事と割り切った関わり方も間違ったものではありません。
利用者と信頼関係を構築する以上に、職場での人間関係を円滑にするのは難しいものだよ。
どうしてもつらい時は環境を変えることも大切
そうなると、転職することで職場環境を変えることも検討すべきかもしれないね。
介護の仕事に人間関係はとても大切で、人間関係の悪い職場で働くだけで介護の質や感動、学びが小さくなってしまいます。
耐えることも出来ますが、それで得るものが少なくなるのは悲しいですよね。
上司の立場で介護職者の連携や人間関係を整えていく働き方は楽しいものですが、一般介護職者として働くならば負担ばかり大きくなる職場です。
良い職員が離れていく介護施設は人材確保において負のスパイラルに陥ってしまうので介護業界全体では損失であり、安易に転職を繰り返すことは転職歴が多くなりマイナス面が大きいため、人間関係だけを理由に転職するのは検討すべきかもしれません。
しかし、どうしても辛いならば転職して職場環境を変えることも、気持ちよく働くためには大切です。
介護求人サイトなどを利用することで十分な情報収集をして、働きやすい施設へ転職するのも良いでしょう。
人間関係は業務内容や人員配置などから推測できる部分もあり、紹介実績のある介護求人サイトなどでは内部事情にも精通したコーディネーターが転職先を紹介してくれます。
転職先でも人間関係が悪いような事態になれば、転職自体による負担と相まって元も子もありません。
しっかりとした情報収集をするために、介護求人サイトを活用するのはオススメです。
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スマイルSUPPORT介護では、介護業界に精通していることもあり施設情報にも詳しいのですが、ブラックな施設は紹介しないという方針を徹底しています。
そのため「希望されてる施設ですが、実は先日集団退職があって…」など、他では聞けないような話を聞くことができるので、入ってからのミスマッチも防ぐことが出来ます。
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求人数 | 12,000件以上(2017年9月時点) |
対応エリア | 首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉) |
対応職種 | 介護福祉士(介護士)、社会福祉士、ケアマネージャー、 介護職員基礎研修、介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、社会福祉主事任用、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、無資格OK |
職場の内部情報に詳しい
きらケア介護では、介護業界に特化して求人紹介を行っているため、施設ごとの人間関係、離職率、雰囲気などの口コミ・評判に非常に詳しいです。
求人を紹介される時も「あそこの施設は給料は確かに高いけど、残業もかなり多いのでプライベートの時間は取りづらいかもしれません…」などネガティブな情報もきちんと教えてもらえます。
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きらケア介護では、7割が女性スタッフということもあり、寄り添って話を聞いてもらえるので安心できるひいう人も多いです。
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きらケア介護では、一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーがついてもらえるのですが、求人を探してもらえるだけでなく、面接のサポートはもちろん、施設への給料や条件交渉までしてもらえます。
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これまでに何度も給料交渉をしてきているプロなので、施設の担当者にうまく給料交渉をしてもらえて給料アップが叶うこともあります。
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求人数 | 4,000件(2017年9月時点) |
対応エリア | 関東・関西中心 |
対応職種 | 介護福祉士、ケアマネジャー、実務者研修、介護職員初任者研修、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、看護助手、無資格OK |
介護業界に詳しいプロのアドバイザーが担当
ベネッセグループ自身が介護施設を運営していることもあり、キャリアアドバイザーは介護業界に非常に詳しいプロばかりです。
そのため求人を紹介してもらう時にも施設の内情を詳しく教えてもらえたり、施設ごとに異なる面接で気をつけるポイントも教えてもらえるので、安心してサポートを受けられます。
高待遇・優良企業の求人が豊富
ベネッセ介護は大手企業の知名度もあり、求人を扱っている施設も大手企業や優良企業も多いため、高待遇・好条件の求人も豊富に紹介してもらえます。
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特養から在宅まで幅広い求人の紹介が可能
ベネッセ介護では介護分野に特化していることもあり、特養、老健、有料、デイサービス、在宅など、幅広い分野の求人の取り扱いがあります。
それぞれの施設で働くメリット・デメリットも事前に教えてもらえるので、「入ってみたらイメージと違った…」ということもなくミスマッチになるケースもほとんどありません。