介護職は自律神経失調症になりやすい?症状と特徴を見てみよう

みさき

みさき
施設の看護師さんから聞いたんだけど、自律神経失調症って病気じゃないの?

ひよこ先生

ひよこ先生
ぎっくり腰か。それは労災の認定が難しそうだね。

みさき

みさき
風邪?

ひよこ先生

ひよこ先生
風邪は風邪の症状を示す病気の総称のようなもので、可能ならば原因ごとに違う名前を付けるべきものなんだ。

風邪の場合は何百と存在するウィルスや細菌から原因を見つけることが現実的に不可能なことから風邪と呼ばれている訳だね。

そして自立神経失調症の場合は、原因は不明だけど自律神経系に影響して現れる症状が現れている場合の総称という訳だ。

自律神経失調症は正確な病名ではありません。

日本では広く使われいますが、国際的にはうつ病などの不定愁訴を含む症状の総称という扱いをされます。

関係性としては風邪の中でもインフルエンザウィルスを原因とする場合にはインフルエンザと呼ぶように、自律神経失調症とうつ病やパニック障害などは関連していると考えられるかも知れません。

日本では肩こりやめまい、頭痛などを訴える患者に対して、原因が特定できない場合の診断名として利用されているという意見すら存在するものです。

とはいえ、病ではないから自律神経失調症が無視していいものかといえばそうではありません。

今回は自律神経失調症について、基本的な内容から対策までを紹介します。

自律神経失調症とは

ひよこ先生

ひよこ先生
まずは自律神経について、少し解説していこう。

みさき

みさき
交感神経と副交感神経ってやつだよね。

自立神経失調症は、その名の通り自律神経の異常を原因として発生します。

自律神経とは内臓の働きやリンパ、ホルモンなど、人が意識してコントロールするものではない身体の機能の事で、勝手に動き続ける心臓の動きのようなものを指します。

自律神経には交感神経と副交感神経が存在し、おおまかには12時間周期でそれぞれが優位になります。

交感神経は「とうそうの本能」と呼ばれ、闘争と逃走、戦う時や命の危険から逃げる時に優位になります。心臓なら鼓動を早め、全身に送る血液の量を増やします。

副交感神経はリラックスした睡眠や休息の際に優位になります。心臓なら心拍は減少し、心筋も収縮力が弱まります。

人の身体はこの二つの神経を、緊張した時には交感神経を優位にし、寝る前には副交感神経を優位にするなど自動的にコントロールしています。

このコントロールのバランスが乱れ、特に緊張している訳でも急いでいる訳でもない、穏やかなときに突然鼓動が速くなり動悸がするような症状が自立神経失調症です。

ひよこ先生

ひよこ先生
自立神経が正常に機能することは人の身体にとってとても大切なことで、常に交感神経が優位なら食べ物の消化もろくに行えないんだよ。

みさき

みさき
自立神経失調症は病名じゃないけど、自律神経が乱れることはやっぱり問題なんだね。

自律神経失調症の症状

ひよこ先生

ひよこ先生
自立神経失調症では自律神経がコントロールする部分で数多くの症状が現れるよ。

排泄に関わる症状などは分かりやすいものかも知れないね。

自立神経失調症の症状として代表的なものは不定愁訴です。

原因不明の肩こりなどは緊張すべき場面でもないのに交感神経が優位に働く事で身体に不要な力がかかっているのかも知れません。

自立神経失調症について分かりやすい症状として、排せつに関わる症状があります。便秘と下痢、頻尿や残尿感など、自立神経失調症では排泄に関わる症状が現れる場合もあるのです。

他にも手足や顔などに汗をかく、喉が渇くなど、普段であれば自律神経によって正常にコントロールされている発汗や唾液分泌などに症状が現れる場合もあります。

めまいや耳鳴り、立ちくらみ、全身倦怠感、動悸などは自律神経が乱れた際には表れやすい症状になります。

みさき

みさき
全身に症状があるんだね。

ひよこ先生

ひよこ先生
自律神経は全身を常にコントロールしているからね。

何もないのに焦りを感じる、強い焦燥感なども交感神経が不必要に優位になっている分かりやすい例だね。

自律神経失調症になりやすい人の特徴

ひよこ先生

ひよこ先生
自立神経失調症は国際的には病気ではなく、日本で提唱されて日本でだけ使われている言葉だ。

更に日本国内でも病気のように扱う事に否定的な人は少なくない、あまり研究などが積極的に行われてはいないようだね。

みさき

みさき
じゃあ自立神経失調症になりやすい人の特徴は分からないの?

ひよこ先生

ひよこ先生
いや、自律神経が乱れる理由から、自立神経失調症になりやすい人を考えることが出来るよ

自立神経失調症は日本でのみ病気のように扱われ、基本的には原因不明のものです。

そのため、厳密に診断基準が決められていたり積極的に治療が行われるものではありません。

しかし自律神経が乱れる原因から、自立神経失調症になりやすい人を考えることは出来ます。

自律神経が乱れる原因の一つは、体質的な物です。

元々身体が弱く、気温の変化や天候の変化で体調を崩しやすい場合には自律神経が乱れやすいのかもしれません。

その場合には生活習慣として食事や運動習慣、飲酒や喫煙などを見直すしかありません。

女性の場合はホルモンバランスが乱れることで自律神経が乱れることも多くあります。
月経前症候群がその代表で、月経前にホルモンバランスが乱れることで自律神経が乱れ、体調や精神状態に症状が現れます。

他にも更年期や子宮摘出術後など、ホルモンバランスが乱れることで自立神経失調症になることがあります。

病院で自立神経失調症と診断される内の半数以上は日常生活に強いストレスを感じているとも言われており、ストレスも自律神経が乱れる原因となります。

ストレスを感じやすい、ストレスに弱い場合にも自立神経失調症になりやすいといえるでしょう。

新入学や引っ越しなどの環境の変化で体調を崩しやすい場合には注意が必要かも知れません。

みさき

みさき
自律神経って意外と簡単に乱れるんだね。

ひよこ先生

ひよこ先生
それを利用して入浴法の工夫によって副交感神経を優位にすることで身体を休める方法などもあるからね。

中には自律神経が敏感に反応しすぎる人がいて、そういう人ほど自立神経失調症になりやすいんだよ。

気になる症状があれば病院に行ってみる事が大切

ひよこ先生

ひよこ先生
自律神経失調症には薬もあるし、病院に行くことは大切だよ。

なにより自律神経の乱れだと思って動悸を放置していたら心疾患だった、何てことになるかもしれないしね。

みさき

みさき
薬があるんだ!

ひよこ先生

ひよこ先生
ビタミン剤や漢方の処方もあるけれど、自律神経失調製剤というものもあるからね。

人の身体は普段から自律神経をコントロールしており、ビタミンA、B群、C、Eなどは自律神経を整える際に使用されます。

そのため、自律神経失調症ではビタミン剤が処方されることが少なくありません。

自律神経失調製剤と呼ばれる自律神経の中枢に働きかける薬もあり、ストレスが原因となる自律神経失調症以外では効果的です。

女性の場合はホルモン剤が処方されることもあります。

同時に、自律神経失調症には原因がよく分からないという側面もあります。

内科を受診して自律神経失調症と診断されても詳しい検査によって他の病気が判明することもあれば、精神疾患を原疾患とする場合もあります。

どちらにせよ、身体に違和感があれば病院を受診することが大切です。

自律神経失調症と診断され、処方された薬でも改善せず、ストレスを自覚している訳でもない場合、総合診療医に相談することで別の病に気付くこともあります、

ひよこ先生

ひよこ先生
病気じゃないと思って自己判断で放置せず、違和感があれば病院に行くこと。

そして自律神経失調症と診断された場合には生活リズムを整えることが大切だね。

みさき

みさき
生活リズムが大切なの?

ひよこ先生

ひよこ先生
自律神経は12時間ごとに優位性が入れ替わるのが基本だけど、介護職などでは夜間でも仕事をしていて交感神経が優位になったりするからね。

それ自体は当然のことだけど、やっぱり自律神経は乱れていっているんだ。

みさき

みさき
介護職なら自律神経の乱れには気を付けないといけないんだね。

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