胃痛はストレスを表すもののように扱われる、ストレスによる身体的な症状の代表格です。
胃は消化の中でも大切なステップを担当する臓器ですが、特にストレスや体調不良の影響を受けやすい臓器です。
ストレス性の胃痛に悩む人は少なくありません。体調が悪いときに胃腸薬に頼るのでなく、常に携帯して常服するような人もいるのではないでしょうか。
今回は胃が痛くなるメカニズムから、胃痛の原因と解消法について紹介します。
目次
胃が痛くなってしまう原因
胃を守る胃粘液の分泌が不十分になったり、胃酸の分泌が過剰になることで胃を痛める場合があるんだよ。
胃液には胃酸と呼ばれる塩酸が含まれており、強酸性によって活性化した消化酵素が脂肪を分解します。
この胃酸は非常に強力で、胃を出た食物は十二指腸で分泌される胆汁によって中和されない限り、強力な酸性によって消化器官にダメージを与えるほどです。
この強酸性が胃を単純な消化器官ではなく、殺菌効果ももった器官にしているのです。
複雑なメカニズムで働いている胃は、その複雑さゆえに不調の影響を受けやすい臓器です。
胃が痛くなってしまう原因も、胃のメカニズムから考えることが出来ます。
栄養バランスの乱れ、水分摂取量の不足や過多
胃はメカニズムが複雑なため、栄養バランスが乱れることで胃痛になることがあります。
胃液の分泌が不足すれば、内容物が十分に消化されません。
胃粘液の分泌が不十分な場合、内容物の消化はしっかりと行われるものの保護がしっかりされていない胃壁に胃の内容物が触れることになるため、胃酸のダメージを受けるのです。
胃は消化器官の中でも、唯一食べ物がその場で長時間留まる臓器です。
胃を除く臓器では食べ物が移動する過程で消化吸収が行われますが、胃には食べ物が溜まることになるため、ダメージを受けやすいのです。
胃液の分泌、胃粘液の分泌、どちらもが十分に行われなければ、ただの消化不良以上のダメージを負ってしまうことに繋がります。
そのためには、胃液や胃粘液の材料となる栄養と水分がしっかりと摂取されなければなりません。
しかし水分の摂取過多は胃液を薄くするため、消化不良を起こしやすくなる場合もあります。食事前後については過度に水分を摂るのは控えるべき場合もあります。
ストレス、自律神経の乱れによる食後の胃痛
ストレスや自律神経の乱れも、胃を荒らす原因となります。胃液の分泌や胃粘液の分泌など、胃の働きは「食べ物が胃に運ばれた」という脳の判断によって自律神経が行います。
ストレスや自律神経の乱れは胃液の分泌量が多くなりすぎたり、胃粘液が不足したりといった不調をもたらします。
どれか一つでも欠ければ全体が崩れてしまうというため、ストレスの影響を受けやすい臓器であると言えます。
強いストレスを感じた際の胃痛
食事と関係なしに胃痛を感じることもあります。その原因となるのは胃の蠕動運動を行う筋肉のけいれんによる「胃けいれん」です。
胃けいれんは胃が掴まれたような痛みやキューッとなるような痛みと表現される、緊張した時に感じる胃の痛みです。
ストレスによる胃痛には食事の際に未消化や胃粘液の不足を原因とするものだけではなく、食事とは関係のないものもあるのです。
ストレス性胃腸炎の可能性
多くの場合には一日から二日で症状は改善するけれど、嘔吐や発熱といった強い症状が特徴だね。
胃痛から始まった症状でも、ストレス性胃腸炎では嘔吐や発熱といった激しい症状が現れます。
発熱は分かりやすい症状であり自己判断で解熱剤を服用するなどで対処してしまいがちですが、胃への負担を考えれば解熱剤を独自の判断で服用するのは逆効果な場合もあります。
病院を受診してもストレスの自覚がなければ誤診に繋がることもあり、注意が必要です。
ストレス性胃腸炎は慢性化する場合もあり、慢性化した胃腸炎は胃潰瘍の原因となることもあります。
重症化を防ぐためにも、強いストレスを感じている自覚があって胃に痛みなどの違和感がある場合には病院を受診するようにしましょう。
放っておかず病院に行くこと
せっかく受診してもストレスを伝えないと誤診に繋がる場合もある点に注意したいね。
ストレス性胃腸炎の治療では症状に合わせた服薬を基本に、ストレスを減らす過程を必要とします。
時にはうつ病などと同様に、抗うつ剤が処方される場合もあります。
ウィルスによる感染性の胃腸炎の場合には感染したウィルスを根絶すれば治療は完了しますが、ストレスによる胃腸炎ではストレスへの対処が行われなければ再発しやすくなります。
しっかりと受診し、ストレス性胃腸炎であると診断を受けた上で正しい治療を受けることがまずは大切。そこからストレスに対する対処を行う必要もあります。
うつ病になる程の強いストレスを感じているならば認知行動療法などを必要とすることもあります。ストレス発散の手段を検討しスポーツなどに取り組むことも有効です。
生活リズムや食事など、ストレスの改善にはその人にあった手段を検討する必要があります。
ストレス性胃腸炎が悪化、慢性化しないよう、ストレスへの対処もしっかりと行いましょう。
ストレスのない職場へ転職する
ストレスが胃腸炎の原因になる程ならば、正しく対処しないとうつ病などに繋がるからね。
ストレスは意外と自分では気付き辛いものです。特にうつ病になりやすいといわれる性格の人では、職場のストレスを自分の能力不足や知識不足だと感じてしまいがちです。
ストレス性胃腸炎になることは辛い事ですが、自分のストレスに客観的に気付く事の出来る機会を得ることが出来たとも言えます。
生活リズムの改善などでストレスを減らし、それでも強いストレスを感じるようであれば職場に対する対処も必要になります。
ストレス性胃腸炎の診断書をもって、職場にシフトなどへの配慮を求めるというのも手段です。
実際に身体的な症状が現れているという事を伝えれば、配慮してもらうことが出来るかも知れません。
それでもストレスが改善しない場合、転職することはストレスの原因であるストレッサーから距離を置く最も手っ取り早い手段になります。
早めの転職は次の職場で仕事を覚えて馴染んでいくのに必要な決断だともいえるよね。
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