今回は新人介護士にオススメの本、持っておくべき本を少し紹介していこうか。
介護について学んでいる途中である新人介護士にとって、介護の専門書はハードルの高いものかも知れません。
介護保険などの専門用語、医療用語もよく出てくるうえ、介護の指南書などでも正しい介護というものを示しづらいのが介護です。
読んでも意味がないと感じるものかもしれません。
最近では介護保険などについて不明な点が発生してもネットで検索すれば公式なデータを参照できますし、介護に関する知識は一冊の書籍だけを信じるより幅広い見識を必要とすることから、ネットの方が有用な場合すらあるかも知れません。
しかし介護については全体を体系的に理解する必要があり、ある部分についてだけ知識があるという状態ではいけません。
一冊は自分の納得のいく本を持っておくという事は、同じ作者や編者の意見として体系づけられた知識を持つことが出来るという事です。
今回は新人介護士が持っておきたい本を解説しますので、参考にして自分に合った一冊を見つけてください。
目次
新人介護士におすすめの本
介護技術向上したい人におすすめの一冊
介護技術の向上の為に本を探すならば、介護の数ある専門書は向き不向きや当たり外れが大きなものです。
最新の補助具の紹介に終始しているような本もあれば、概念的な説明ばかりで肝心な技術については臨機応変という言葉で済ませている場合もあります。
介護に正解はなく、また事故やクレームが発生しない限りは明確に間違いであるとも言えないのが介護です。同時に、正しい介護を実施していても事故が発生する場合もあります。
そのため、あらゆる場面で正しいと言える介護技術を紹介することは困難であるという背景があります。
そんな中で介護技術の向上を目的に本を探すならば、介護福祉士試験準拠タイプのテキストがおすすめです。
介護福祉士の試験では片麻痺の高齢者を対象とした移乗介助や杖歩行介助など、場面を絞ることで正しい介護を考えています。
介護技術を考える上では特定の場面における正しい介護を解説しているテキストが最も分かりやすいと言えるかも知れません。
根拠からわかる介護技術の基本
いわゆる学校で習う介護技術についてまとめられています。介護福祉士試験に強い中央法規出版である点もオススメです。
介護福祉士試験準拠の内容であることを条件に探すべきではありますが、介護福祉士試験対策の問題集などでは出題傾向などから省かれる分野が発生してしまいます。
こちらの本はレビュー評価も高く、出版社も信頼できるものですが、別の本で探す場合でも試験対策に終始する物よりも試験範囲全体を網羅したものを探しましょう。
基礎知識を覚えたい人におすすめの一冊
介護には技術以外にも様々な知識が必要になります。
介護保険や疾病、老化についてなど、全てを一冊の本で網羅することは難しく、同様に一人の先輩から教えてもらう事も難しいでしょう。
まずは基礎的な知識について、親しみやすく現場で実感しやすい内容をまとめられた本を一冊購入してみることをおすすめします。
介護にはポケットサイズの実用書、解説書も多数発売されていますので、そちらから選ぶと良いでしょう。
介護ポケットナビ
こちらはポケットサイズでありながら、長く現場で使用できるレベルで必要な知識について非常によくまとめられています。
一冊を通して読んだら、仕事中でもすぐに確認できるように持ち歩くと良いでしょう。
出版も大阪府介護福祉士養成校連絡協議会という介護福祉士の専門学校などと関係の深い組織で、それだけにフラットな立場からの解説でとっつきやすくなっています。
先述のように、介護福祉士教育に関連する書式ではスタンダードな考え方や理念について解説してくれています。
自分の介護観をしっかりと見つけ、尊敬できる大学教授などで書籍を選べるようになるまでは、こういった本の方が違和感なく読むことが出来るはずです。
コミュニケーションを上達させたい人におすすめの一冊
コミュニケーションについて、あえて用語を用いて難しく解説するならばバイスティックの七原則の解説や言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの違いなどをするべきですが、新人介護士にとっては難しい言葉が並ぶばかりで、親しみ辛い内容になるかと思います。
まずは認知症高齢者とどう接すればいいか分からない、無言になってしまうなどの現場レベルでの課題を解決する手段として本を用いてみるのが良いでしょう。
世の中には認知症高齢者とのコミュニケーションの解説書なども多数存在し、理念や考え方について解説してくれていますが、今回はより実用的な一冊を紹介したいと思います。
介護現場で使える会話の引き出し便利帖
こちらは今までの二冊よりは少し癖が強く、人によっては納得し辛い考え方に基づく解説なども含まれているかも知れません。
しかし80代の人が結婚した頃に流行っていた歌や、90代の人が十代の頃の社会情勢など、新人介護士にとってよく分からない存在である高齢者を身近に感じ、理解していくためのポイントが時系列で上手くまとめられています。
95歳の人にとっては定年間際に初めてマクドナルドが銀座にオープンしますが、75歳の人なら30代のころのニュースのはずです。
高齢者とは言え、同じ枠に押し込んで考えるには年が離れすぎている事、5歳違えば戦争へのイメージも全く異なることに気付かせてくれる、新人介護士にとっては良書ではないでしょうか。
介護福祉士を目指す場合には、介護技術について解説している書籍の方なども検討すべきかもしれません。
1日でも早く一人前の介護職になるために
そして一人前の介護職とはあらゆる介護を根拠を持って実施できる人であると僕は思うよ。
一人前の介護職とは、仕事の速い介護職者だという人もいるでしょう。ミスがない介護職者の事だという人もいるかも知れません。
しかし、どれだけ仕事が速くとも、ミスが全くなかったとしても、なんとなく実施していたのでは家族介護者と変わりません。
介護職は誰でもできる仕事であり、ミスなく素早く実施するだけならば長く介護をしてきたご家族にかなう事はありません。
では介護職者が専門性を発揮するのは何か、ということを考えたとき、やはり大切なの知識であるのではないでしょうか。
一人前の介護職になるために、介護福祉士を取得するために。また介護福祉士をすでに取得しているならば倫理綱領にあるように自己研鑽に励むためにも。
是非、自分自身の経験・知識を高めるためにも最低一冊は参考書を読んでおくことをオススメします!