介護職のプレッシャーにもう耐えられないと悩む人へ

みさき

みさき
はぁ、今日は疲れたよ…
ひよこ先生

ひよこ先生
おや、今日は夜勤でもないし入浴担当でもないんじゃなかったかな?
みさき

みさき
そうだけど、最近ターミナルの利用者さんがいるからね。
ひよこ先生

ひよこ先生
なるほどね。終末期の利用者を介護するのはプレッシャーが大きいからね。

 

介護はとても大きなプレッシャーを抱える仕事です。人の命を扱うという性質上、自分のミスが生死にかかわるプレッシャーが小さなものであるはずがありません。

その他にも、介護の現場で働いているとプレッシャーを感じる機会は少なくありませんよね。

介護の現場で働き、人の命を取り扱うのですからプレッシャーを感じることは当然です。
むしろプレッシャーを全く感じずに仕事をするようでは、介護職として未熟であるとも言えます。

しかし、大きなプレッシャーにただ耐えながら仕事をしなければならない訳ではありません。

プレッシャーと上手く付き合うために、プレッシャーに耐えられないと悩む人の力になれる内容をお伝えできればと思います。

介護の職場でプレッシャーを感じる瞬間

ひよこ先生

ひよこ先生
みさきはどういう時にプレッシャーを感じるかな?
みさき

みさき
今日はターミナルの利用者さんのバイタルチェックだけでもプレッシャーが凄かったよ。

間違えて測ったらと思うと手が震えちゃった。

ひよこ先生

ひよこ先生
それは良い介護職者だね。
みさき

みさき
へ?

 

介護の現場でプレッシャーを感じる場面は沢山あります。

遅れずに食堂まで誘導しなければならない、配薬を間違ってはならない、転倒などの事故を起こしてはならない。

そのどれもがプレッシャーを感じる場面です。みさきのように、命を取り扱うという意識は普段の何気ない業務も緊張感あふれるものにします。

それ自体は間違っていません。あなたのミスは利用者の生活に関わり、時には命に関わります。

しかし、本来感じる必要のないプレッシャーや過度なプレッシャーも介護には溢れています。これらを正しく理解し、分けて捉えることはとても大切です。

そのためにまずは介護の職場で感じる、プレッシャーの種類を見ていきたいと思います。

利用者の命を預かっているという緊張感

配薬のミスや身体介助時の転倒事故、バイタルチェックなど、介護の職場では日々の業務の至る所で命を取り扱います。

自分のミスが利用者の生死にかかわることもあるという緊張感は強いプレッシャーを感じるものです。

業務が遅れてはならないという焦り

介護の現場は、実は締め切りの連続です。11:30までに食堂に集合、13:00までに昼食を食べ終える、15時にはレクリエーションに参加とスケジュールが決められており、介護者は居室から食堂への移動や排泄、食事の介助、口腔ケアなどを時間内に行わなければなりません。

遅れてしまえば利用者の生活リズムを乱してしまう、迷惑をかけてしまうということで焦り、プレッシャーを感じる場面は多々ありますよね。

失敗に対する恐怖感

介護者も人間ですから、当然ミスをします。ましてや相手は高齢者であり、自分一人で作業をしているわけではありません。

利用者の体調一つで時間に遅れますし、利用者からの普段と違う要求でペースが乱れることも日常茶飯事です。

当たり前に発生するミスや遅れではありますが、時にはミスしてはならないという恐怖心にも似たプレッシャーになっていくのです。

 

ひよこ先生

ひよこ先生
プレッシャーの重圧に耐えきれず、実際のミスや遅れに繋がってしまうという悪循環に陥る危険もあるよね。
みさき

みさき
私も今日のバイタルチェックは少し時間がかかっちゃったな。

 

プレッシャーの乗り越え方

ひよこ先生

ひよこ先生
プレッシャーを乗り越えるためには、プレッシャーを認めることが大切じゃないかな。

他人の命を取り扱う以上、プレッシャーを感じることは間違いじゃないんだ。その上で上手く付き合う事が大切だよ。

 

他人である利用者の命を取り扱う仕事ですから、あなたの感じている緊張感は正しい物です。

病院でも「どういった症状ですか?いつから?今はどんな調子です?」と質問を繰り返し「恐らく風邪ですが、長引くようならもう一度受診してくださいね」と丁寧に診断してくれる方が安心できますよね。

「まぁ風邪でしょう、心配だったらもう一回きてね」と軽くあしらわれる様では、診断自体にミスが無くても心配になるものです。

ミスが実際に発生してはいないという点は、安心感を考える上では大きな問題ではありません。

ミスをしっかりと恐れ、丁寧に対応していることが安心感につながるのです。

だからこそ軽い体調不良でも丁寧に、緊張感を持った対応をしてくれる医師の方が安心できるのです。

だからといって、いかにも新人といった様子でおろおろと対応されては不安になります。

適度に緊張しつつ、それを表に出さないためには、プレッシャーを感じなくなるのではなく、コントロールしなくてはなりません。それこそがプレッシャーを乗り越えるという事です。

プレッシャーをコントロールする方法とは

みさき

みさき
プレッシャーをコントロールするって、どうすればいいの?。
ひよこ先生

ひよこ先生
その為にはプレッシャーをより深く理解しないといけないね。

 

日本語におけるプレッシャーとは精神的な圧力です。

精神的に圧迫されている理由が「緊張」や「焦り」であり「恐怖」です。それによってミスやストレスに繋がっています。

ストレスについて理解することは、プレッシャーについて理解することと密接に関係しています。ストレスについてのページも参考になることかと思います。

プレッシャーをコントロールするという意味では、スポーツ選手がとても参考になります。

一打逆転の場面のピッチャーが感じるプレッシャーは相当なものであると想像できますが、多くの場合投球をミスしませんし、結果的に逆転されてもストレスで精神を病んではいません。

では、スポーツ選手のプレッシャーに対する認識を介護の仕事に当てはめてみましょう。

プレッシャーを認める

ここで、プレッシャーを認めることが大切になります。スポーツ選手の多くがプレッシャーを乗り越える方法をインタビューされたときに独自の答えを持っています。

ショービジネスとしての側面もあるかも知れませんが「プレッシャーを一切感じません」と答えることはありません。

素直にプレッシャーを感じ、そしてコントロールしているのです。

あなたが介護を実施していて、プレッシャーを感じることは間違いではありません。

プレッシャーを感じることは間違いでなく、そして介護を続けるうえではプレッシャーと上手く付き合い、コントロールしなければならないのだと認識する。

これはプレッシャーをコントロールする上で最も大切で、しかし最も軽視されている項目ではないでしょうか。

ルーティンを組む

某スポーツ選手によって注目され、ルーティンという言葉は市民権を得ましたが、介護ではルーティンで作業的に仕事をしてはいけないとも言われます。

しかし、プレッシャーをコントロールする上では、自分流のルーティンを組むことはとても効果的です。

声掛けをして体調を確認し、検温をして、血圧を測り、SPO2を測り、記録する。声をかけてから離席し、次の利用者に声をかける。

バイタルチェックをルーティン化すれば、動作に気を払わずに利用者に注目することが出来ます。更に漏れもなくなります。

異常値を示した時の具体的な対応をルーティン化してはいけませんし、利用者に合わせた声掛けも必要ですが。

しかもバイタルチェックにおけるミスをするかも知れないというプレッシャーが緩和されます。普段通りに行っているのだから、ミスする余地はないと信じることが出来ます。

例えば、いつも通りに業務をこなした場合に、10分の余裕が出来ると理解することも出来ます。ならば10分以内で対応できるイレギュラーに焦らずに済みます。

15分かかるイレギュラーは、対応困難なものとして速やかにホウレンソウです。

全てをルーティンで作業としてはいけませんが、簡略化して作業手順をルーティンにすることは介護をする上で重要です。

それは自分なりのペース、リズムと呼ぶことも出来るかも知れません。

自分流を見つけることが出来れば、それだけでプレッシャーをコントロールすることに繋がります。

それでもダメなら職場環境を変えてみる

ひよこ先生

ひよこ先生
みさきは今日のバイタルチェックで焦ったかい?
みさき

みさき
ううん。失敗しちゃいけないとは思ったけど、そんなに焦らなかったかな。
ひよこ先生

ひよこ先生
それは良い職場に恵まれているのかもしれないね。

 

普段の業務にルーティンを取り入れ、プレッシャーをコントロールしながら業務にあたっても、介護の現場でミスがなくなることはありません。

人が人を介護する以上、ミスや遅れは必ず発生します。

事前に遅れると分かるための手段がルーティンであり、自分の手際を理由としたミスを減らす手段がルーティンです。

その他の理由によるミスや遅れは残念ながら発生します。大切なのは、その後の周囲の対応です。

少しの遅れが非難され、強く注意される職場では、恐怖心から焦りは大きくなります。

事前に遅れが発生すると目算がたっても、フォローがなされない職場では意味がありません。

職場環境、人間関係が悪ければそれだけでプレッシャーは大きなものになります。

逆に良い職場、良い人間関係の中であればプレッシャーは最低限、介護職者が感じるべきプレッシャーだけになります。

ミスや遅れに対して上司や同僚から、乗り越えることが難しい程に過度なプレッシャーを感じるならば、職場環境を変えてみることも良いのかもしれません。

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