介護福祉士が守るべき倫理綱領でも自己研鑽に励むことされ、介護職にとって勉強が大切であることが分かります。
しかし介護職者であるからには自己研鑽に励まなくてはならないと分かってはいても、実際にどう勉強すればいいか分からないという人も少なくないかもしれません。
学校のように試験があるわけでもなく、また介護では常に正しい正解というものがない場合も多く、何をどう勉強するのかというのが分かり辛いのは確かです。
当サイトでも介護知識や医療知識、介護保険等の関連制度、法律などについて覚えなくてはならないと紹介していますが、かといって全てを暗記することも出来ません。
医療に関する知識を学ぶにしても、高齢者と関わり、介護をする上で必要になる医療知識について特に覚えなくては、医師と変わりません。
また、どれだけ知識を集めても実際に介護に活かすことが出来なくては意味もありません。
今回は実は難しい介護職の勉強方法について、解説していきたいと思います。
目次
社会人の平均的な勉強時間
学業を本分とする学生を除けば、社会人の学習にあてる時間は一日10分が平均であるという調査結果があります。
とはいえ、まったく学習しない人と長時間を学習に充てる人がいると考えれば、平均で考える事には疑問があるかもしれません。
質問紙形式の調査では回答者の考え方次第で、ノートを前にした学習だけを学習時間としている人もいれば、自己啓発本を読んでいる通勤時間も学習時間と回答しているケースもあるでしょう。
しかし、現実的に仕事をしながら学習に充てることができる時間は、一日30分程度までであるという人は多いかと思います。
資格取得に向けた学習など、短期間集中して学習する場合でも最大2時間程度、毎日続けるなら10分から30分程度までが限界ではないでしょうか。
介護職の効率的な勉強方法
仕事をしながら勉強できる時間を、平均の3倍であると考えても30分です。
全く勉強に時間をかけていない人、少し本を読む程度の人、資格の取得などに向けて長時間を勉強に充てている人を考えても、その程度が限界であると思えます。
一日30分という学習時間で、介護保険を全て暗記することは多くの人にとって困難です。
そもそも、弁護士であっても法律の全文を暗記するものではありません。
仕事で実際に使用できるレベルでの知識を習得するための勉強という視点から、介護職におすすめの学習方法を紹介いたします。
ステップ1: 仕事日記をつける
介護職にとって本当に必要な知識とは、今働いている施設で活用することができる知識ではないでしょうか。
デイサービスで働く介護職と、ホームヘルパーの介護職とでは、必要になる知識領域は違ってくるはずです。
ただテキストを開くだけでは「既に知っている事」「自分の仕事ではあまり関係ない事」も多く含まれます。
そこで、仕事に関する日記をつけることをオススメします。
一日を振り返り日記を作成するという手法は、介護だけではなく多くの職種で勧められています。
一日の業務で困ったことや注意されたこと、ミスはしなくとも気になった内容などは、介護職にとって必要な知識のヒントですが意外と忘れがちです。
日記でなくても、振り返りを通して必要な知識を抽出しましょう
必要になった知識を集中して学ぶことは、勉強の成果を感じることも出来るのでお勧めです。
ステップ2:ネット検索や先輩への質問でフラットな知識を得る
ステップ1で必要な知識を抽出したら、次は知識として覚えるべき内容を収集します。
ここでは、フラットな知識を可能な限り広範囲に集めるという点に注意しましょう。
誰かの主観という不純物のない、フラットな知識を得ることで、自分で考察し気付きを得ることが出来ます。
例えば、パーキンソン病について知りたいとしましょう。
「どのように介護すればいいか」を質問すれば、介護の手法を先輩は教えてくれるかも知れません。
「どんな病気ですか」とナースに聞けば、パーキンソン病の症状や治療法を解説してくれるでしょう。
しかし、それで学習を終えてしまってはもったいないと言えます。
パーキンソン病について深く深く調べていけば、ドーパミンの働きや特定疾病についても知ることが出来ます。
一人の利用者の症状について調べるのではなく、パーキンソン病について深く知ることが出来れば、次にパーキンソン病の利用者が入居してきてもその知識を活かすことができます。
誰かに質問されても、よどみなく答えることが出来るレベルで情報集めることが出来ればベストです。
そのためにも「私はこう思う」「この人にはこうすれば良い」という知識で終わらないようにしましょう
これは介護ならではで、売り上げを上げたい営業が市場原理について勉強することは稀かも知れません。
しかし介護においては根拠を説明できることはとても大切で、応用的に実践していてもなぜそのように実施するのかを説明できなければならないでしょう。
ステップ3:アウトプットする機会をつくる
介護の知識は、テストが実施されるわけではありません。介護福祉士であっても、一度資格を取得してしまえば更新などもなく、だからこそ知識が偏っていき、古くなっていきます。
だからこそ覚えた内容をどこかでアウトプットするようにしましょう。後輩などに教える、同僚と議論することが出来ればより深く考察が出来ます。
調べただけでは時間がたつだけで記憶は変形していってしまいます。大切な内容でも使わなければ忘れますし、覚え違いをしてしまうかもしれません。
メモリーツリーやマインドマップなどを活用し、覚えた内容をノートにまとめることもオススメです。
現場で使うというだけではなく、ご家族から質問されても答えることが出来るレベルで学びを得るためには大切なステップになります。
大切なのは一度学んだことや調べたことについては、説明できるレベルで身につけていくことじゃないかな。
介護職は日々勉強が必要
トライ&エラーで正解を見つけていくという訳にはいかない事も多いから、勉強することはとても大切だよね。
現場で使える知識を得るためには実践を通して修正を繰り返しスパイラルアップしてくことも重要ですが、介護という命を預かる仕事ではミスを積み重ねるわけにもいきません。
だからこそ、まずは十分に知識を得る勉強がとても大切です。
先輩の意見や一冊の本で紹介される内容、ネットで調べ得た知識はとても参考になりますが、その知識をしっかりと自分の物としていくことで、実際に介護現場で活用できる知識となっていきます。
まずは主観的な意見を含まない、純粋な情報について学んでいきましょう。
介護は非常に幅広い範囲の知識が必要です。駆け足で全てを学ぼうとするのではなく、日々少しずつ、一つ一つの内容に妥協せずに知識を深めていくことで、現場で活かせる知識を得ることが出来るのではないでしょうか。
毎日少しずつでも焦ることなく、しっかりと勉強していく様にしましょう。
後は忘れてしまわないように、勉強した内容についてはキーワードだけをまとめたノートを作って、定期的に見返すんだ。
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