特に下調べが必要な施設だともいえるよ。
特別養護老人ホームは介護保険が施行されるより前から存在し、高齢者福祉サービスの措置として入所させる施設の名称でした。
現在では介護保険に基づく契約制度が原則となり、都道府県からの指定を受けて指定介護老人福祉施設と名称を変更もしていますが、老人福祉法上には未だにしっかりと位置付けられています。
こうした要因から呼ばれ方も様々で、昔の多床室の施設から最近建てられたユニット型の施設まで存在する点が特徴です。
法的な位置づけは同じでも設立した年代に応じて施設の形などが大きく異なる特養。
今回は、職場としてみたときに知っておきたい特養の特徴を紹介したいと思います。
目次
特養の特徴について
介護の考え方の変化も含めて、分かりやすい違いを紹介しよう。
【従来型 多床室】
徘徊が仕方のないもの、認知症の症状として捉えられた時代に作られた徘徊を妨げない回廊式廊下(フロアを廊下が一周していて徘徊し続けることが出来る廊下)が設置されている場合もある。
居室は多床室で、一部屋に4人や6人で生活をする。
【ユニット型 個室】
ユニット式で居室からは居間・食堂へと繋がり、人との関りを持って今までの生活と変わりない雰囲気で生活できるように配慮される。
居室はプライバシーに配慮され、完全個室になっている。
さらに従来型の中でも廊下は回廊型とそうでないものがある。
ユニット型の施設では家事を介護職員が担当し、洗濯や掃除、調理まで行うケースもあるでしょう。
従来型の施設では、家事に専門のスタッフが雇用されるケースは少なくありません。
ユニット型では一つのユニットにつき3名~4名程度の介護職員が常勤しますが、従来型では1フロアに4人部屋が20部屋あり80人を27人の介護職員が常勤する形の施設もあるかも知れません。
同じ特養でも施設のハード面、ハードに応じて最適化されたソフト面としての人員配置などが大きく異なる点は特養の特徴です。
特養で働く前に知っておきたいこと
特別養護老人ホームの給料
介護職の給料は介護報酬と加算から計算されるため、介護報酬が極端に高い訳でもない特養の給料が高い理由を明言化することは困難です。
それでもいくつかの要因は想像されます。
1)大規模な施設・法人ではオムツの大量一括購入などでコスト削減できる
オムツやおしぼり、車いす等、施設で必要な備品は数多いので、これらにかかるコストの削減は運営に余裕がでます。
大量購入が出来る施設では、経費削減が出来そうです。職員も多数雇用する場合、制服の準備などでも経費が削減されます。
2)常に満床で順番待ちが発生するような状態で運営で、安定して運営できる
有料老人ホームなどで営業を必要とする施設と異なり、特養は順番待ちが凄いとはよく言われます。
つまり、特養においては多くの場合で施設を設立した当初に想定した通りの収益で安定して運営することが出来ます。
3)社会福祉法人の安定した資産がある
特養は社会福祉法人か公共団体にしか運営できません。
多くの場合は社会福祉法人が運営していますが、社会福祉法人は国からの助成や税制上の優遇があります。
さらには施設建物を所有もしくは国から借りているなど、設立が困難な分運営は安定しやすい法人です。
だからこそ、職員に高い給与を出せるとも言えます。
特別養護老人ホームの仕事内容
老健や療養型のように医療分野に特化する訳でも、グループホームのように認知症に特化する訳でもない分、特養の仕事内容に特徴を示すことは難しいかもしれません。
これも、特養への転職では下調べが重要であると説明した理由です。
最近では入所の条件が要介護度3以上に引き上げられ、より重度の方を対象としている点は特徴と言えるかも知れません。
入居者の平均介護度が3.88と四近い数値を示しながら、今後も要介護2以下は原則入所しないという状況にあり、重度化は加速していく可能性もあります。
そのため身体介護として移乗介助やオムツ交換、入浴時の全介助などは増えていくことでしょう。
ユニット型の特養においては家事などの業務を実施する場合もあれば、専従スタッフを雇用する職場もあり、様々です。
重度者の身体介護は多くの場合求められる仕事内容で、他に家事などを行う施設もあると言えます。
特別養護老人ホームのメリット・デメリット
メリット
- 給料が高い職場が多い
- スタンダードな施設介護ができる
- 特に従来型では職員の人数が多く、フロアリーダーや介護主任などの昇進ポストがある
デメリット
- 業務範囲は多岐にわたり、施設ごとに大きく異なるため予想と違うなどの事態が起きやすい
- 身体介護が多い施設では腰痛などのリスクも高く、負担が大きい
- 特に従来型では職員の人数が多く、人間関係に悩まされるケースも少なくない
地域密着型の特養ならグループホーム同様に職員は少数チームもあるし、本当に施設ごとに様々だよ。
特別養護老人ホームのやりがい
特養の入居者の75%以上は死亡退去です。
「特別養護老人ホームにおける看取りに関する研究 ―施設内で最期を迎えた入居者の特徴と終末期の意思確認の現状―」では、特養の退所者の75%以上は死亡退所と記載されています。
特養の順番を待ちながら有料老人ホームで暮らす方なども多く、特養は終の棲家(すみか)として社会からも求められていると言えます。
特養と切っては切れない看取りを、デメリットとして紹介しないのは非常にやりがい溢れる仕事だからです。
絶対に積極的に求めるものではありませんし、介護職者にとっても看取りは非常に辛い仕事ですが、介護職の専門性を存分に発揮する場面でもあります。
死にゆく利用者様に対して、医師でも家族でもない我々だけが出来る関り。そこには特養ならではのやりがいがあるのではないでしょうか
特養の求人の探し方
注意深く探さないと、働いてみたら想像と違う事もあるだろうからね。
特養はここまで紹介してきたように、施設ごとの違いが大きな施設です。
職員の人数、施設の構造からくるハード面の特徴、介護職員の業務範囲。
また介護施設として当然ながら担当制度の有無なども気になりますし、給料と昇給、手当も当然知りたい情報です。
施設の構造や職員配置などはネットを検索することでも手に入る情報ではありますが、それ以上に細やかな範囲は求人情報誌でもネットでも簡単に手に入るものではありません。
こうした情報を得るために、介護職専門の求人サイトを活用しましょう。
ユニット型の特養で働いてみたいが、家事などの業務負担の少ない施設を探しているなどの希望を伝えることで、希望に沿った求人をピックアップしてもらえます。
介護求人サイトを便利に使いこなして、あなたに合った特養で働きましょう。
おすすめの介護求人サイト
当サイトでは、実際に介護求人サイトを利用した人の声、またそれぞれの求人サイトが扱っている求人数や情報量を元に、おすすめの求人サイトをピックアップしています。
求人サイトによっては対応エリアが首都圏のみのところもあります。
首都圏の人向けと全国対応可能の求人サイトがありますので、対応可能エリアも必ずチェックしてみてくださいね。
1位:「スマイルSUPPORT介護」(全国対応)
求人数 | 84,000件以上(2017年9月時点) |
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また運営している長谷川ホールディングスは介護施設や福祉施設の運営もしているため、介護業界に精通しているキャリアアドバイザーが多く、介護業界特有の悩みにも共感してもらえます。
評判の悪い施設を省いて紹介してもらえる
スマイルSUPPORT介護では、介護業界に精通していることもあり施設情報にも詳しいのですが、ブラックな施設は紹介しないという方針を徹底しています。
そのため「希望されてる施設ですが、実は先日集団退職があって…」など、他では聞けないような話を聞くことができるので、入ってからのミスマッチも防ぐことが出来ます。
2位「きらケア介護求人」(首都圏向け)
求人数 | 12,000件以上(2017年9月時点) |
対応エリア | 首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉) |
対応職種 | 介護福祉士(介護士)、社会福祉士、ケアマネージャー、 介護職員基礎研修、介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、社会福祉主事任用、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、無資格OK |
職場の内部情報に詳しい
きらケア介護では、介護業界に特化して求人紹介を行っているため、施設ごとの人間関係、離職率、雰囲気などの口コミ・評判に非常に詳しいです。
求人を紹介される時も「あそこの施設は給料は確かに高いけど、残業もかなり多いのでプライベートの時間は取りづらいかもしれません…」などネガティブな情報もきちんと教えてもらえます。
キャリアアドバイザーの対応が丁寧
きらケア介護では、7割が女性スタッフということもあり、寄り添って話を聞いてもらえるので安心できるひいう人も多いです。
また「まだ転職は迷ってるけど、どんな求人があるか見てみたくて…」というような情報収集の段階でも、丁寧に対応してもらえるので安心です。
給料・条件交渉をしてもらえる
きらケア介護では、一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーがついてもらえるのですが、求人を探してもらえるだけでなく、面接のサポートはもちろん、施設への給料や条件交渉までしてもらえます。
「あと月1万円給料が高かったら、ここの施設に行きたいんだけど…」という正直な気持ちを伝えてみてください。
これまでに何度も給料交渉をしてきているプロなので、施設の担当者にうまく給料交渉をしてもらえて給料アップが叶うこともあります。
3位:「ベネッセの介護士お仕事サポート」(関東・関西メイン)
求人数 | 4,000件(2017年9月時点) |
対応エリア | 関東・関西中心 |
対応職種 | 介護福祉士、ケアマネジャー、実務者研修、介護職員初任者研修、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級、看護助手、無資格OK |
介護業界に詳しいプロのアドバイザーが担当
ベネッセグループ自身が介護施設を運営していることもあり、キャリアアドバイザーは介護業界に非常に詳しいプロばかりです。
そのため求人を紹介してもらう時にも施設の内情を詳しく教えてもらえたり、施設ごとに異なる面接で気をつけるポイントも教えてもらえるので、安心してサポートを受けられます。
高待遇・優良企業の求人が豊富
ベネッセ介護は大手企業の知名度もあり、求人を扱っている施設も大手企業や優良企業も多いため、高待遇・好条件の求人も豊富に紹介してもらえます。
求人サイトによっても取り扱っている求人が異なりますが、ベネッセでしか扱っていない優良企業の求人も多いので、できる限り2社以上の求人サイトへの登録をオススメします。
特養から在宅まで幅広い求人の紹介が可能
ベネッセ介護では介護分野に特化していることもあり、特養、老健、有料、デイサービス、在宅など、幅広い分野の求人の取り扱いがあります。
それぞれの施設で働くメリット・デメリットも事前に教えてもらえるので、「入ってみたらイメージと違った…」ということもなくミスマッチになるケースもほとんどありません。